スカイプが変えるインターネット・テレフォニーの世界
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/129b97ff0c092f48b52b4165e45ba1b3
NGN対P2P [ IT ] / 2007-01-25
きのうのICPFセミナーで、スカイプの岩田さんの話を聞いて、ちょっと考えさせられた
最初こちらで決めたタイトルは「スカイプが変えるIP電話の世界」だったが、先方からの注文で「スカイプが変えるインターネット・テレフォニーの世界」と変更した。その理由は、チャットやSkypecastと呼ばれる不特定多数の人が参加できる多人数電話(アマチュア無線ユーザーが多いという)など、さまざまな形のコミュニケーションが可能になり、スカイプは今では「多機能コラボレーション・ツール」ともいうべきものになっているからだ。
フュージョンと提携して050番号もとれるようになったし、携帯端末への組み込みも進んでいるので、今後はスカイプのアカウントさえあれば固定でも携帯でも送受信できるFMCが可能になるだろう。ドコモなどは端末でアプリケーションを動かせないように囲い込みをしているが、ノキアのE61のようなSIMロック・フリーの端末ならスカイプも使えるようになる(まだベータ版)。
さらにP2Pでトリプル・プレイも可能になろうとしている。創立者のZennstromたちは、JoostというプロジェクトでP2Pによるビデオ配信を始めた。これは今のところスカイプとは別の会社だが、Zennstromたちは両方の株主なので、将来は音声・映像を総合したP2Pプラットフォームになるかもしれない。何のことはない。原型であるKazaaに先祖返りしているのである。
このようにP2Pが向かっている方向はNGNとよく似ているが、そのアーキテクチャは対照的だ。NGNでは、すべての通信をSIPサーバでキャリアが管理し、仮想的なコネクションを張って通信品質を管理するのに対し、スカイプはほとんどの制御を端末で行う(アドレスの管理はスーパーノードと呼ばれる中継サーバを使う)。NGNはインフラに巨額の投資をしてFMCを行うのに対して、スカイプはアプリケーション層で通信を行うので、設備投資はゼロだ。
スカイプはキャリアのインフラに「ただ乗り」しているので、それを止めることは技術的には可能だ。アメリカで激しい論争になっている「ネットワーク中立性」は、この問題をめぐるものだが、今のところスカイプを止めたキャリアはない。それはインターネットへの不介入という大原則を破ることになり、世界中のユーザーの批判を浴びるだろう。
さらに今後、FONのようなWi-Fiベースのインフラが普及すると、携帯電話もP2P化が進むだろう。固定電話がIP化によって消滅しつつあるのと同様、音声通話サービスとしての携帯電話が消滅するのも時間の問題だ。むしろ競争は、インフラがWi-Fi経由のインターネットになるか、それとも携帯電話(のデータ網)になるかだろう。
NGNとP2Pの関係は、ほとんど絵に描いたような持続的技術と破壊的技術の関係である。ユーザーは、高品質・高価格のNGNと中品質・ゼロ価格のP2Pのどちらを選ぶだろうか。
※ヤフーメッセンジャーをよく使っていましたが、最近はスカイプでの音声チャット、音声会議が本当に増えてきました。無料だから、使いたいときだけ使える。ほとんどのPCで使える。ということで、誰でも使える便利な無料ツールになってるんですよね。
中品質・ゼロ価格のP2Pを選ぶに決まってます。