実際のところSkypeを導入してどうですか?
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20061218/257133/?ST=skype&P=5
このように,コスト削減を目標にスタートしたX社のSkype導入プロジェクトですが,得られたメリットは実はコスト削減だけではありませんでした。そのことを教えてくれたのが,実際にSkypeを使っているX社内のユーザーのBさんです。前述のように,会社としてトップダウンで導入するシステムというのは,実際の現場からはあまり評価されないケースが多々あります。現場のニーズや問題点を認識しないまま構想だけが一人歩きしてしまい,今までの仕事より仕事が増えてしまったり,使い勝手が悪くなってしまいがちだからです。
今回のケースがどうなったのか気になった私は,Bさんに「実際のところSkypeを導入してどうですか」と尋ねました。Bさんからは率直な意見をもらいました。「はじめはSkypeの利用に多少とまどいがありましたが,慣れてしまうと気にはなりませんでした」,「相手のプレゼンスがわかるので時差があっても電話がしやすいです」,「ちょっとしたことでも気軽に聞けるというのは精神的に楽ですね」。
Bさんの最後のひと言が気になった私は,「以前は気楽には聞けなかったのですか」と尋ねてみました。すると,「実は国際通話は上司の許可がないとできないルールがあったんです。そのため誰かに聞けば簡単にわかるようなこともこちらで苦労して調べたりメールでお願いしたりという具合でした。やむをえず国際電話をかけるときも,やはり通話料金がかかっているという後ろめたさがあるので,仕事に関係のない話とかはできずとても事務的だったんです」。
Bさんは続けました。「今はちょっとしたことでも気兼ねなく聞けますし,何より精神的な負担がとても減りました。冗談も言えるようになったので,現地スタッフとの親密度が以前よりずっと高くなり,職場全体の雰囲気もどんどん良くなっています」。コスト削減のみを狙ってのSkype導入でしたが,どうやらもっと大きなメリットをこのX社は手に入れることができたようです。
まとめ
スタッフBさんとの話を通じて,私は,音声によるコミュニケーションならではの見逃せないメリットが少し見えたような気がします。私たちは,連絡したいことや情報を伝えたいことがあるから仕事の電話をかけるのですが,では仕事以外の情報をやりとりすることはまったく無駄なことなのでしょうか。いいえ,けっしてそんなことはありません。
いつも無機的に業務の話しかしない職場よりは,気心の知れた仕事仲間同士で自由にアイデアを出しながら仕事を進められる職場の方が,活力にあふれた魅力的な職場になることが間違いないでしょう。そして,そんな職場で働けるなら,きっと生産性も高まるように思います。これこそがコミュニケーションの本質ではないでしょうか。いつでも気軽に話ができ,相談ができ,相手の状況を理解し,その場にあった適切な指示が出せるようになること,それがビジネスをするうえでの人間関係の理想であると思います。「無料で通話できる」Skypeをビジネスで使う最大のメリットはこれだと私は考えます。
常に通話料金を気にしていたり,面倒な接続手段や手続き,精神的なストレスになる障壁があっては円滑なコミュニケーションは望めません。Skypeは,簡単に使え,相手と間単につながり,通話費用が無料です。この利点を企業は大いに利用するべきでしょう。今まで頭を抱えていた問題が意外とすっきり片付いてしまう,Skypeの導入はそのきっかけに十分なる可能性を秘めていると私は確信しています。
次回もまた皆さんに有益な情報をお伝えできればと思います。新年1月にまたお会いしましょう。それではよいお年を。