広がるインターネット電話『スカイプ』 無料が強み 会議・筆談も
「スカイプ」というパソコンを利用するインターネット電話が広まっている。一般の固定電話や携帯電話と違って、通話だけでなく、インターネットを使ったさまざまなサービスも利用できるのが特徴だ。スカイプの長所と短所を探りながら、実際に使ってみた。 (ルポライター・宇津木聡史)
http://www.chunichi.co.jp/article/technology/digital/CK2007062502027071.html
ルクセンブルクでインターネット電話「スカイプ」が生まれたのは二〇〇三年。それから三年後の〇六年末には、全世界で約二億人が登録。国内では、〇五年末に約二百万人、〇六年末で約四百万人に達した。NTTの固定電話加入者数の一割近くにあたり、年末には八百万人に広がるとの予測もある。
「P2P」というインターネット技術を使ったスカイプの最大の利点は、利用者同士の通話が無料であること。
また、固定電話や携帯電話にも、格安の料金でつなぐことができる。国内ならどこでも、固定一分二円六十六銭、携帯一分十七円五十銭。米国・欧州・中国へは、固定一分二円三十八銭。ただし、接続料金として一回四円九十銭かかる。
通話だけではない。小型モニターカメラを使用した「ビデオ通話」、九人までの相手と同時通話できる「電話会議」、通話しながら筆談できる「テキストチャット」など、インターネットならではの機能も搭載している。
このため、スカイプを導入する企業や自治体も増えており、事務所を持たないスカイプ頼りのベンチャー企業も出現しているという。
スカイプが急成長している背景には、常時接続・定額制のブロードバンドの普及や、パソコン利用者のすそ野が広がったことが大きい。料金に敏感な利用者が、遠距離に住む家族や恋人との通話に、スカイプに乗り換えるケースも少なくなさそうだ。
スカイプ社日本オフィスの岩田真一代表は「スカイプは、パソコンと組み合わせることで、強みを発揮する」と、新しいコミュニケーションのあり方を強調する。
だが、スカイプが「万能の利器」とも言い切れない。とくにセキュリティー面で「安全性を保証する責任者がいない」点を懸念する向きは多い。一一〇番などの緊急電話にも対応できない。何より、新しい技術だけに「どんな問題が起きるか予測できない」という不安もある。
受けて立つNTTコミュニケーションズは「スカイプの登録者数は増えているが、全体の通話時間はそれほど伸びていないのではないか。安全と安心を最優先する固定電話には、あまり影響は出ていない」と自信を見せる。
スカイプは、インターネットの特性を正しく理解し、目的や用途に合わせて上手に利用することが求められそうだ。
設定簡単、クリアな音質
スカイプを試してみた。
まず、パソコンで「スカイプ」の公式ホームページにアクセス。「Skypeのダウンロード」の表示をクリックすると、許可を求めるメッセージが出る。「実行」を押して約十秒。パソコンにデータが転送され、画面の指示に従って2回クリックしたら、あっさりインストール完了。
その後、アルファベットと数字を組み合わせてスカイプユーザー名とパスワードを登録、指示通りに音声テストを済ませたら、使用可能となった。
では、本当に無料で通話できるのか。
あらかじめ連絡しておいたスカイプユーザーの千葉の知人に、東京・世田谷から連絡を試みる。パソコンに現れたスカイプの画面に知人のスカイプユーザー名を打ち込み、通話マークをクリック。すると、コール音の後、はっきり知人とわかる「もしもし…」。
今度は、海外と。フランス在住の知人に、スカイプでかけるよう、メールで依頼した。やがて、画面に通話許可を求めるスカイプのマークが浮かび上がり、クリックすると「アロー」の声が聞こえてきた。音質も悪くない。
「スカイプ同士なら通話は無料」の触れ込みどおり、どちらも料金の請求はなかった。