市民メディアを確立させるためには
私がこのオーマイニュースに市民記者登録をして記事を書き始めて3カ月が過ぎた。掲載された記事が60本近くにまでなった。
http://www.ohmynews.co.jp/news/20070706/12886
私は先天性の白内障で、小さい頃から母に、「お前は片方の目が見えないから、人様よりも何倍もかけて努力しなければいけないよ」と言われ続けてきた。
そのためか、自分のなかで、「何事もまずは100回やってみる」ということが自然と身についていた。
教員時代は、市内や県内で行なわれる研修会にも積極的に参加した。教員時代の17年間のなかで学級担任をしていたときは、ほぼ毎日学級通信を書いていた。ただ書けばよいと言うものでもないが、おかげでいろいろな事象に敏感に反応するようになり、常に何らかの問題意識を持つようになってきた。
教員を辞めてからは、毎日のようにブログを更新し、いろいろな方からいただくコメントを読みながら、自分なりに文章の修行を続けている。
このオーマイニュースに参加させていただいた理由は、記事を書くことによって自分の感覚を研ぎ澄ませるとともに、全国の市民記者の方との交流を通して、「市民メディア」について考えてみたいと思ったからである。
普段何気なく見ている日常生活の事象も、問題意識をもって見つめ直してみると、隠れていた一面を垣間見ることができる。自分が住んでいる土地なのに、意外と物事を知らないことにも気づかされた。
ブログでは、自分の周りのことを自然体で書いてきた。オーマイニュースへの投稿をはじめてからは、記事として掲載してもらうために書くようになってきた。そのためには足を運んで取材をしなければならない。取材するためには、関係機関へ連絡したり、いろいろと調整したりしなければならないことが出てくる。
私は市民記者であり、いわゆる職業記者ではない。ケガをしても、トラブルに巻き込まれても自己責任である。記者証もない。名刺を作って現場で市民記者を名乗っても、市民記者の説明をしなければ分ってもらえない。
市民記者としての壁を感じた。
私たち市民が確立させようとしている「市民メディア」とは、いったい何なのだろうか。
私の考える市民メディアとは、情報がほしいと思う人に確実に届くような「情報の流通」と、インターネットのメリットである「双方向性によるコミュニケーション」である。
既存のマスコミが取り上げないような事象を取り上げて、それを記事として流通させるシステムは、今のところは機能している。
問題は「双方向性によるコミュニケーション」ではないかと考える。
双方向性には3種類ある。
1つは「市民記者と読者とのコミュニケーション」である。市民記者が書いた記事に対して、それを読んだ読者や他の市民記者等がコメントすることで、そのコミュニケーションは保たれていると考えてもよいだろう。
また、オーマイニュース内のコミュニティである「記者クラブ」を通して、市民記者同士のコミュニケーションも行なわれている。
2つ目は「編集部と市民記者とのコミュニケーション」である。
全国にいる3000人を超える市民記者のモチベーションを常に維持させ、良質の記事の生産と流通を図るためには、それなりのサポートが必要になってくる。電話代がかさむのであれば、メッセンジャーやスカイプを利用すればよい。編集部の生の声を聞きたいと思っている市民記者は多いだろう。
3つ目は「オーマイニュースと既存のマスメディアとのコミュニケーション」である。
オーマイニュースは、日本ではまだ新しい市民メディアである。市民記者という制度を日本に根付かせ、世論を巻き込むためには、既存のマスメディアとのコミュニケーションは欠かせない。
大手新聞社の記者が講師となって、市民記者に対して取材方法や記事の書き方を伝授するような講座があってもよいだろう。文章のプロから学ぶことほど、私たちにとってうれしいことはない。
スポーツではないが、「記者のプロアマ交流」を通して、日本型の新しいタイプの市民メディアを確立させることができるのではないかと考える。
7月に入った。あと1カ月すこしで、このオーマイニュースも創刊して1年になる。
今は、まだまだ産みの苦しみ状態ではあるが、編集部・市民記者・読者・既存のマスメディアを巻き込み、市民メディアとは何かを考えていくことで、私たちが目指そうとしているものが少しずつ見えてくるのではないだろうか。