スカイプの共同創設者ゼンストローム氏、CEOを退任--収益モデルの確立成らず
eBayは米国時間10月1日、Skypeについて総額10億500万ユーロ(14億3000万ドル相当)の減損処理を行うと発表した。つまりこれはeBayが、インターネット電話会社であるSkypeの現在の事業全体に対する価値を再評価しなければならないことになったことを意味する。実質的に同社は、元の投資に対し損失を被ったと述べていることになる。
http://www.yomiuri.co.jp/net/cnet/20071002nt0a.htm
eBayは1日、Skype共同創設者兼最高経営責任者(CEO)であるNiklas Zennstrom氏が退任したことも明らかにした。Skypeを再編成し、同部門を新しい方向へ導くための動きであると思われる。
同氏の退任は予測されていた。2003年のSkype創設に携わったZennstrom氏は、もう1人のSkype共同創設者Janus Friis氏と共同で、「Joost」と呼ばれるインターネットテレビサービスを開始した。同氏がそちらの事業に集中することになるだろうということは、かねてから予想されていた。
2005年9月にSkype買収が発表されて以来、ウォールストリートのアナリストや投資家らは、大手電話会社らが独占する市場において実質的に無料または低コストで音声サービスを提供する企業に対し、いったいどうしてそのような高額を支払うのだろうかと首をかしげてきた。
合併が発表されたとき、最も有名なオンラインオークションサービスを所有し運営するeBayは、eBayのマーケットプレイスにおいて売り手と買い手をつなぐためにSkypeのピアツーピアVoIP(voice over Internet Protocol)技術を利用することに大きな可能性が秘められていると述べた。eBayの「PayPal」支払いシステムとSkypeのVoIPネットワークと統合するという広大な計画もあった。
しかし買収が成立してから2年近く経った現在、eBayのオークションウェブサイトとSkypeの音声サービスの統合はほとんど実現していない。Skypeは世界最大のVoIPプロバイダーに成長したとはいえ、買収の結果は明らかである。つまり、Skypeは26億ドルという高額な価格に見合うだけの収益を上げていないのだ。
RBC Capital Marketsの管理ディレクター兼インターネットアナリストであるJordan Rohan氏は、「Skypeのサービスは、無償サービスとしては絶大な人気を誇っている」と述べた。「しかしある時点から、無償という戦略は通用しなくなった。管理の問題ではない。ビジネスモデルの問題である」(Rohan氏)
とはいえSkypeは、VoIP分野では1種のサクセスストーリーであった。加入者ベースでは、2005年には5700万人であった登録ユーザー数が、2007年6月末には2億2000万人に増加している。つまり2年弱の間に1億6000万人以上も増加したことになる。また同部門は7月18日、9000万ドルの売り上げを計上し、2四半期連続で黒字決算を達成したことを明らかにしている。
しかしこの成功にもかかわらず、eBayのCEOであるMeg Whitman氏はこの結果が発表されたとき、Skypeの利用レベルにまだ満足していないと述べていた。
ここで大きな問題は、Skypeの次のステップは何だろうか、というものである。
eBayがSkypeに費やした金額を考慮すると、明らかに現在のビジネスモデルでは、eBayを満足させることはできない。そしてその理由は簡単である。Skypeはユーザーにソフトウェアクライアントをダウンロードしてもらうことには成功したが、そのうちのほとんどの人がSkypeユーザー同士の無料通話に同ソフトを利用している。
Skypeが収入を得るためには、ユーザーに対し、Skype-InやSkype-Outサービスを利用するように促さなければならない。Skype-Inとは、Skypeから借りた電話番号に、友人などから固定電話または携帯電話から電話をかけてもらえるサービス。一方のSkype-OutはSkypeから固定電話や携帯電話へ有料で電話をかけられるサービスのことである。
SkypeとeBayは、Skype-InやSkype-Outサービスの利用者数を明らかにしていないが、Rohan氏は、Skype-Outを利用する人が減少していることを示す証拠があると述べる。
「Skype-Outサービスは非常に不調だ。いずれにしろ、Skypeのコアビジネスは、非常に安い通話カードを扱ったビジネスとあまり変わらない。利ざやが極めて薄いのだ」(Rohan氏)(CNET Japan)