米イーベイ、新CEOの試練
インターネット競売大手の米イーベイでは、この3年間、株価が下げ続ける中、CEO(最高経営責任者)のメグ・ウィットマン氏は投資家にひたすら忍耐を求めてきた。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080207/146690/
そのイーベイが1月23日、ジョン・ドナホー氏がCEOの座を継ぐというトップ交代を発表した時、投資家に対する彼のメッセージははっきりしていた。「2008年も見通しは明るくない」というものだ。
イーベイの経営は、ハイテク業界の中で最も困難な仕事の1つだ。同社のCEOは、口やかましく、対立することも多い3つのグループ(投資家、購買者、出品者)を満足させるという気の遠くなるような責務を負っている。
株主の犠牲も辞さず
ウィットマン氏は長年、対立する利害間のバランスを取るのに見事な腕前を見せてきたが、最近では、どのグループも満足させられずにいた。
購買者と出品者は競合他社のウェブサイトを試しているし、投資家はこの3年間で半値にまで下落した株価に不満を募らせている。「イーベイは今、本当に大変な状況に置かれているというのが市場の見解だ」と米アメリカン・テクノロジー・リサーチのアナリスト、ティム・ボイド氏は言う。
次期CEOのジョン・ドナホー氏は中核事業の活性化を最優先する(写真:Jessica Brandi Lifland/Polaris)
ドナホー氏は、CEOとしての自分の最優先課題がイーベイの中核事業の立て直しであり、そのために投資家に犠牲を強いることも辞さない意向を明らかにした。彼はサイトの出品者に要求する手数料を減額し、利用者数と出品点数の拡大を図る考えだ。
また、IT(情報技術)に巨額の投資を行うことも考えている。例えば、買い手がサイト内を巡って商品を見つけることを容易にする技術などだ。
「我々は、自分たちが作り上げてきたもの、顧客に対するアプローチ、ビジネスモデルなどを大胆に変革する必要がある」。CEO就任が決定して最初の電話会議で、ドナホー氏はこう語った。
ドナホー氏の戦略は少なくとも短期的には、イーベイの業績にマイナスになる。同社は今年第1四半期の売り上げ予想を20億~20億5000万ドルとしたが、これはアナリストの予想の21億~22億ドルを下回る数字だ。
1月23日の決算発表後、同社株は時間外取引で6%下落し、この日の上昇分がほぼ帳消しになった。
ドナホー氏にしてみると、会社の長期的な発展を描くためには、目先、投資家を犠牲にするしか方法はないのかもしれない。
イーベイの2007年第4四半期の決算は好調だった。売上高は22億ドルと前年同期比27%増加し、純利益は同53%増の5億3100万ドルとなった。
だが、その成長の大部分は、電子決済サービス部門のペイパルやインターネット電話サービス部門のスカイプなど、規模の小さい新規事業からくるものだ。