イーベイ、「セカンダリー」市場に注力へ
サンノゼ(ウォール・ストリート・ジャーナル)米インターネット競売大手イーベイ(Nasdaq:EBAY)の幹部は11日、業績の低迷する同社を立て直し成長を加速させるために、傘下の電子決済サービス会社ペイパルの潜在能力を活用し、電子商取引市場のいわゆる「セカンダリー」市場に焦点を当てる方針を明らかにした。
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当地で開いた会議「アナリストデー」で、ボブ・スワン最高財務責任者(CFO)は、2011年の総売上高は08年の85億ドルから最大41%増の100億-120億ドルを見込んでいると語った。
また、特別損益を除いた利益の11年までの伸び率を1けた台半ばにする見通しだとした。ただ、こうした見通しは、市場が数年以内にある程度正常に戻ることが前提だという。
さらに同氏は、組織の簡素化、決済費用の削減、サポート費用削減を狙った顧客満足度改善によって、向こう3年で20億ドルの経費節減を目指すとした。
イーベイは、深刻化している景気悪化を乗り切り、インターネット通販大手の米アマゾン・ドット・コム(Nasdaq:AMZN)など固定価格販売各社との競争に打ち勝つための戦略を持っていると投資家を納得させる必要に迫られている。
昨年3月に最高経営責任者(CEO)に就任したジョン・ドナフー氏は、イーベイが電子商取引業界の見通しの移り変わりに対応するのが遅れていたと認め、同社の変化のスピードを上げると明言した。
同氏は、CEOに就任後初のアナリストデーで「私はイーベイを指揮していくうえで、状況を厳しく客観視していく」と語った。
ドナフー氏は、ヤフーの市場部門は、市場参加者が在庫処分品や生産中止になった商品を販売する、世界の「セカンダリー」市場に焦点を当てるとした。また、ペイパル部門は同社第2の中核事業になってきていると断言した。
ペイパル部門のスコット・トンプソン社長はその後、同部門の事業規模は今後数年で2倍に拡大し、11年までに取引の決済額は1000億-1200億ドルに伸びるとの見通しを示した。
同氏は「世界の電子商取引決済額は11年までに14%増加するとわれわれはみている」と語った。
またトンプソン氏は「ペイパルは、イーベイでの決済の取り扱いを増やすとともに、イーベイ以外での取引の決済におけるシェアも拡大することによって、目標を達成する」とした。
同氏によると、ペイパルは11年までに収入が40億-50億ドルになる可能性があるが、買収した決済処理会社ビルミーレイターの事業統合費用がかかるため、向こう2年間は利益率が圧迫される見通しだという。
イーベイの決済事業は総収入の約28%を占めており、08年の収入は25%増の24億ドルだった。
同社の市場部門のローリー・ノリントン社長は「セカンダリー商品を販売するプラットホームとしての成長機会が増えていると認識している。そうした商品のほとんどは現在、非効率なサプライチェーンを通じ実店舗で販売されている。イーベイにおけるセカンダリー市場規模は5000億ドルが見込める」と語った。
「イーベイはオンライン小売市場をアマゾンに譲渡するのか」との問いに、ドナフー氏は「われわれが勝てる分野に焦点を絞る」と答えた。
ただイーベイ幹部は、イーベイをセカンダリー商品販売のプラットホームとして利用することに関心を持っている小売業者や事業清算人について、少数の例を挙げるにとどまっている。同社によると、ネット通販業者バイ・ドット・コムが最近、商品をイーベイ・ドット・コムに出品し始めたという。
ドナフー氏はインタビューで「小売業者のほか、仲買業者も狙い目」と話した。
パイパー・ジャフレーのアナリスト、ジーン・マンスター氏は「イーベイが市場部門を改善するためにとろうとしている戦略には勇気づけられた。ただ同社は、計画を完遂しなければならない」と語った。また「イーベイがセカンダリー市場戦略における市場参加者の呼び込みに消極的なのが懸念される」と指摘し、「まだ極めて不透明」と述べた。
ドナフー氏は、イーベイの市場部門の収入の伸びは09年に比べて鈍化するものの、10年には追いつき、11年には上回る見込みだとして、11年までには同部門の収入が50億-70億ドルに達するとの見通しを示した。
「イーベイはインターネット電話(IP電話)サービス部門スカイプを売却する可能性があるのか」との問いには、ドナフー氏は「同部門と当社のそれ以外の部門との大きな相乗効果は見られない」と繰り返し述べたものの、「スカイプは、ほかの部門に悪影響を与えておらず、引き続き単独で好業績を上げている」と語った。
イーベイは、スカイプの11年の売上高を10億ドルと見積もっている。