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ライブドアが放つ無線LANという刺客、新規参入の陰に“タダ携帯”
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投稿者 上野みのる 日時 2005 年 11 月 23 日 02:55:42:

ライブドアが放つ無線LANという刺客、新規参入の陰に“タダ携帯”
2005年11月22日 00時00分
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/biz/414381

「移動通信サービスの向上、発展に尽くしてほしい」――。11月10日、竹中平蔵総務大臣は、携帯電話の新規参入を認める認定書をソフトバンク、イー・アクセス、アイピーモバイルの3社のトップに手渡した。

12年ぶりとなる携帯電話の新規参入の決定。来秋には他社へ既存番号を引き継ぐ「番号ポータビリティー制度」の導入も控える。加入者数が9000万件と飽和状態に達した国内携帯電話市場は、さらなる競争にさらされる。

しかしこれは序章にすぎない。ポスト携帯として新たな刺客が急浮上してきたのだ。その名は「無線IP(インターネットプロトコル)電話」。仕掛けるのはライブドアである。

「携帯会社が投資額の高いインフラをバンバン設置し、それを高い通話料金で消費者が使わされている現状は、おかしい。バカ高い電話由来の技術ではなく、インターネットの安くてシンプルな技術を使ったものが普及するのは、世の常だ」

竹中大臣が認定書を渡した3日前、堀江貴文社長は講演でこう言い切った。堀江社長が普及すると目論む技術。それは無線LAN(構内情報通信網)と、世界で最も普及しているインターネット電話「スカイプ」のことである。

スカイプとの提携が導火線


スカイプはルクセンブルクのスカイプ・テクノロジーズが開発した無償の通信ソフト。インターネットに接続したパソコンやPDA(携帯情報端末)にスカイプを入れ、相手もスカイプの利用者であれば、世界中どこでも無料で通話や文字による会話などができる。

有償サービスを利用すれば、ほとんどの国の固定電話、携帯電話との通話も可能。例えば米国内の固定・携帯電話には、発信者がどこにいても、いつでも1分2.7円と格安だ。日本の固定電話へも全国均一1分3円と、国内のどの長距離電話事業者よりも安い。

2003年8月に登場して以来、欧米を中心に人気を博し、利用者は世界で6000万人を超えた。

この人気に目をつけた堀江社長は昨年9月、スカイプと提携。ライブドアのサイトで、ソフトの配布や関連商品の販売などを始めてから利用者が急増し、「提携前の16万人から250万人以上に増えた」(スカイプのビンセント・ショーティノ日本担当)という。

このスカイプが今、固定電話のみならず、携帯電話も脅かし始めている。

外出先で容易にブロードバンド(高速大容量)接続できる環境と、スカイプを利用できる携帯端末の2つが揃えば、携帯電話のように利用できてしまうからだ。実現は間近に迫っている。

カギとなるのが、無線LANのアクセスポイント(AP)を公共エリアに設置し、外出先でブロードバンド接続を提供する公衆無線LANサービスだ。ライブドアは12月1日、従来のサービスに比べ圧倒的に利用範囲が広い「ライブドアワイヤレス」を開始する。

既にソフトバンクグループやNTTグループといった通信事業者も始めているが、利用範囲は一部のマクドナルドやスターバックス、駅構内などに限定され、「点のサービス」にすぎない。

一方、ライブドアが目指すのは「面のサービス」。電力会社の通信子会社などと提携し、主に電柱をAPとして利用。12月まで都内山手線内に2200カ所、2006年12月まで1都8県に6万カ所とエリアを広げ、最終的には全国25万カ所以上に設置したい考え。

こうなると、「都市部で少し歩けばライブドアのAPにつながる」(照井知基執行役員上級副社長)。しかも、利用料は月額525円と格安だ。

インフラの普及に徹する戦略


こうした屋外のブロードバンド環境の整備に歩調を合わせるように、スカイプが利用可能な携帯端末も続々と登場する。その急先鋒が、PHS大手のウィルコムが12月に発売する、PDA型のPHS端末「W-ZERO3」である。

シャープ製のこの端末、ウィルコムのPHSとして利用できるほか、無線LANとの接続機能もついている。OS(基本ソフト)にウィンドウズを搭載しているため、「既存のスカイプも使えるはず」(ウィルコム)とする。

三菱商事の子会社、テクノロジー・アライアンス・グループも、同様のPDAを台湾のメーカーと共同で開発。国内大手メーカーや量販店などへのOEM供給を目指している。来年には台湾の別のメーカーから、携帯電話と似た小型軽量で、150ドル以下の無線スカイプ端末も登場する。こうした携帯端末とライブドアワイヤレスがつながれば、「月額525円、かけ放題」の携帯電話が事実上、実現してしまうのだ。

ただし、ライブドアは「スカイプと無線LANインフラの普及に努めるが、電話事業自体を行うわけではない」(照井副社長)。つまり、この仕組みには許認可が必要な電話事業者は存在せず、利用者の使い方次第で結果として携帯電話として使えてしまうのだ。利用法にライブドアはこだわらない。

公衆無線LANサービスも電波が微弱のため許認可を必要とせず、コストは2000億〜3000億円の投資が必要と言われる携帯事業に比べ安い。ライブドアは「無線LANの投資はせいぜい500億円。携帯電話事業者のように、全国津々浦々まで通話エリアを拡大する義務もない」(照井副社長)。ソフトバンクなど新規事業者を尻目に、身軽に闊歩しようというわけだ。

今のところ、通話品質やエリアは電波が強い携帯電話に劣る。だが月額2900円で通話し放題を打ち出したウィルコムが好調なように、低価格に流れる消費者は少なくないだろう。携帯電話が、無線IP電話の補完ツールに成り下がる可能性は捨てきれない。

ヤフーやグーグルも、無償のサービスで利用者の支持を得ることで確固たる収益基盤を確立した。携帯電話と無線IP電話は同じ「電話」であっても、その成り立ちが根本的に違う。通信事業者主体の前者と利用者主体の後者が覇権争いを演じる日は近い。(井上 理)

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